『マラルメの火曜会 神話と現実』のご紹介

『マラルメの火曜会 神話と現実』本書は、Gordon Millan: Les《MARDIS》DE STĒPHANE MALLARMĒ Mythes et réarités, Librairie Nizet, 2008.を翻訳したものです。19世紀象徴派の詩人ステファヌ・マラルメの「火曜会」は、詩人が長年住んだパリ8区ローマ通りのアパルトマンで毎週火曜日の夜に開かれ、多くの作家や芸術家が集まりました。そして彼らは詩人が語るさまざまな話題に耳を傾けたのです。

ゴードン・ミランは、「火曜会」に出席した人たちの回想録や手紙など、残された資料を徹底的に渉猟して、そこから火曜会の姿を再現しようとこころみました。

マラルメが生前に目を通し、死の5カ月後の1899年2月、ベルギーの出版社ドマンから出版された『マラルメ詩集』には49篇の詩が収録され、1897年1月刊行の『ディヴァガシオン』には折々に発表した散文の大部分が収められています。従来、火曜会で語られた話題の多くが、これらの詩や散文に反映されていると考えられてきましたが、ゴードン・ミランの『ステファヌ・マラルメの火曜会 神話と現実』は、残された資料を渉猟して可能な限り、その真の姿を復元しようとした労作です。


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